『大人になっても恋をする』(姫乃たま『パノラマ街道まっしぐら』感想)

姫乃たまさんのアルバム『パノラマ街道まっしぐら』が大好きなので、感想を少しずつでも世に出してゆきたいと思い、1曲ずつ書いてみることにしました。

『大人になっても恋をする』(作詞:姫乃たま 作曲・編曲:川辺 素)

「ドライブミュージック」「東京の夜景」「ワイングラス」

さて、冒頭から散りばめられる単語がイケイケに大人です。一方で、音楽性や歌唱は穏やかで素直なんですよね。そして、歌が進むにしたがって言葉の世界と音の世界が溶け合って聞こえてきます。

このように落ち着いて恋の歌が歌えるのは確かに大人の心持ちだなあと思うのです。背伸びしてたころを懐かしむぐらいになっても、やっぱり恋をする。

 

「苦い初恋 甘い不倫」

(どうでもいいですが、最初「甘いプリン」かと思ってた。)
この歌詞を姫乃さんがライブで逆に「甘い初恋 苦い不倫」と歌ってしまったことがありました。「それじゃ普通だ」って後から笑ってたそうです。

しかし、こうやって見てるとどっちが普通なのかわからなくなります。初恋はだいたいうまくいかないし、不倫してる人は楽しそう、そんなイメージもあります。この辺の感覚でどういう青春時代を送ったかバレる。

昔の人は言いました……。「青春時代の真ん中は 胸に棘さすことばかり」(青春時代/森田公一

 

「大人になる」

これを説明するのは無粋な気もするのですが、アルバムリリース時には「大人になる」という言葉に「アイドル/アイドルファンから脱却する」という意味が付与されていました。

(参考文献↓)

www.cdjournal.com

あえてその文脈で「大人になっても恋をする」というフレーズを解釈すると、どういう意味になるのでしょうか。……。と、問いを立ててみたもののよくわからん、すみません。

 

最後に、声の話。

この曲は、アルバムの中でも姫乃さんの声がひときわ自然に響く一曲だと感じています。もともと声を張らない方ですが、その中でも話し声に近い歌声で、しみじみ素敵な声だと思うのでした。